生い立ち ４

何か話を聞いていると不憫に思えた。

彼は、

こんなに家の事を話したのは初めてだと言いながら苦笑いする。

でも、

幼い純粋な気持ちを踏みにじられ続けた彼の心の傷は（魂の傷）

彼しか分からず想像はついても誰にも分からない。

誰が彼を責める資格があるというのか、、、？

不良というレッテルを貼り彼の一部分だけを見、

白い目で見る大人（人間）は立派なのか？

ごく普通の家庭環境で

ごく普通に両親の愛情を受けて育った人間に

彼を批判する資格があると？

キレイ事を並べるのは簡単だ。

他人に迷惑をかけてはいけない。

悪いことをしてはいけない。

このようなことをする人間は悪だ。

そんなことは誰だって分かっている。

似たような家庭環境で育った人間であれば、その言葉も良いだろう。

幼い頃から長く傷ついてきた魂の叫びが聞こえるのだろうから。

｛夜回り先生｝で有名な水谷先生は、

このようなギリギリの心理状態の子供たちを

寝る暇も惜しみ救っていたんだな。。。尊敬すべき人である。

子供は絶対的な信頼を親に向けている。

でも、その親に裏切られたら？

親が子供に答えることなく、自分の感情のみを押し付けてきたら？

幼い子供は、親にキツイ失望感を抱かない限り

親を裏切ることはないはずなのだ。

大人と違い幼いほど毒された魂なんてないし

このような環境は魂を傷つけれらる相手は、

悲しいかな間違いなく、最初が親なのだ。

大人の１年と幼子の１年は１０倍も２０倍も意味が違う！

シッカリ抱きしめて同じ目線で会話を続け育てれば、

親に心配かけまいと頑張るのだ。

一時的にブレても芯がぶれることはない。

虐待を受けている幼い子供は

母親から虐待を受けていることを隠すのが殆どだという。

酷い目に合わされても母親に嫌われたくないと

本能的に感じているのだ。

親以外に誰が守ってくれると？

親の愛情に勝るものはないのだ！

そんな親が、子供の心に向き合うことなく無視し

知らず知らずに傷つけていたら・・・

その状態が長く続けば子供の心が歪むのは当たり前だ。

最初に接する人間は普通は親で、人間形成のベースになる。

父親、母親、両親ともに裏切られたら
　　　　（愛情を受けることがなく）

他人を信用できなくなるのは仕方がないのではないのか？

親以外の、他人の誰が信用できるというのだ？

今は時々、母親に小遣いをやっているという。

母親は今、一人暮らしで郊外の居酒屋で働いているらしい。

彼を知れば知るほど、本当はとても優しく素直なのだ。

普通の人より純粋な心を感じさせるほどだ。

その笑顔にはくったくのない無邪気さが残っている。

見なくてよい幼い時から

親を通して人間の業のようなものを見続けてきた瞳。

どれだけ幼い涙を流してきたのだろう・・・。

どれだけ寂しい思いをしてきたのだろう・・・。

身体の傷は消えても心の傷は残る。

知らず知らずに弟のような気がしてきた私であった。

若いのだからヤ○ザを止めて普通の仕事をすることを

再三勧めたのだが・・・。

そして、私の知らない所で私を守る、、、。

これが本来の彼ではないのか。。。

そのうち連絡が途絶えていた。

そして、私も渡米。

帰国し、何年か経った頃

久しぶりに知り合いに電話した時に彼の話が出た。

今は服役中であるらしく

私が渡米中に抗争事件があり、鉄砲玉になり人を殺めた・・・と。

｛無期懲役｝

どうも以前から薬物にも溺れていたとか・・・

そして、

暴走族からの仲間の一人は、

その間にヤ○ザ世界では、いい顔になっていると・・・

単純で向こう意気が強い彼は

組織から見ると利用しやすいタイプ。

多分、要領が悪かったのだと思う。

二人も殺めた？！

ショックであった、耳を疑った、。

彼らの世界の抗争は戦争であるのは分かってはいるが・・・

でも、

人を殺めることは、どうあがいても取り返しはつかない。

彼の無邪気な照れくさそうな笑顔と

私には、どうしても、どうしても・・・繋がらなった、。

怒りと、悲しさと、悔しさが入り混じって

身体の奥から何ともいえない喪心感に襲われていた。

無期懲役は模範囚であれば１５年で出所できるという。

今、何を考え過ごしているのか？ 

これから、どこに向かって生きるのか？

もう二度とやり直しは効かないのか・・・？

一度の人生を、このままで生きるしかないのか？

永山　則夫の｛無知の涙｝を思い出す・・・

ブログ内　心の貧困　http://figthing-okan.blog.so-net.ne.jp/2011-02-12　　

会うことはないとはいえ、私の知っている彼が、

手の届かない世界に行ってしまった瞬間だった。。。

彼が普通の家庭に生まれていたら・・・

このような人生ではなかったと思う。

犯した罪は許されるものではないが、

本当に彼だけの責任であるのか？

自分自身が親になり、色んな親同士の関わりあいで

色んな親の姿を見て改めて感じる。

親の言い訳なんか聞きたくもない！

結果には、必ず原因があるのだ。所詮大人目線の言い訳。

無邪気だった天使が、急に悪魔になるとでも？

有り得ない。絶対に！

良い親の基準なんてないが、

幼い頃にシッカリ愛情を注いでいれば

彼の人生は変わっていたのでは？と、

我が子を持ち尚更、悔しさが込み上がってくる。。。

どうぞ、彼の魂が救われますように・・・・・

ごめんね、応援することも、助けることもできなくて。。。

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タグ：生い立ち

コメント 2

ブログの更新大変だと思いますが、応援しています☆

by 新潟の美容院 (2011-02-19 23:14) 

コメントありがとうございます＾＾

できるだけ毎日、更新できるように頑張ります！

by オカン (2011-02-21 17:03)